お気に入りの作曲家・ルクー




1887年頃、ポワティエ(Poitiers)にて
リエージュ王立音楽院所蔵
引用文献[1]より)
ギョーム・ルクー(Guillaume Lekeu ,1870-1894)は、わずか24歳という若さで夭逝した、ベルギー出身でフランス近代の作曲家の一人です。
フランクや、フランクの弟子のダンディに師事したこの作曲家は、かろうじてヴァイオリン・ソナタによって、 ヴァイオリン音楽好き、フランス音楽好きの人たちにその名前を知られている程度です。しかしその作品は、到底若書きとは言い難い完成度の高いものが多く、聴いていくうちに興味を惹かれていきました。また、師であるダンディの「ほとんど天才と言ってもいい」 という言葉も、その事実を裏付けていると言っていいでしょう。
ここでは、ルクーの生涯と作品について簡単に紹介していきたいと考えています。



ベルギーのヴェルヴィエにある、ルクーの記念碑


ルクーの墓。両親とともに葬られている。
Photo by J.M.D. in Belgium

ルクーの生涯の概説

ギョーム・ルクー(Guillaume Lekeu)は、1870年1月20日ベルギーのヴェルヴィエ(Vervier)の中産階級の家庭に生まれ、 その後一家は仕事の事情で1879年、フランスのポアティエ(Poitiers)へ移ることになります。 ルクーは6歳からヴァイオリンのレッスンを受けており、1888年にポアティエで中等教育を終えるまで、音楽のレッスンを受け続けていました。 ルクーが音楽の道を志したのはバッハとベートーヴェンの音楽、特にベートーヴェンの第9交響曲と後期弦楽四重奏曲を知ったことだったと言います。
1888年、ルクーはパリに移り住み、翌1889年セザール・フランク(César Franck)に出会い、対位法、和声学、フーガの作曲法を学び、 初期の作品についてアドバイスを受けます。 1890年11月のフランクの死後は、フランクの弟子のヴァンサン・ダンディ(Vincent d'Indy)に師事し、 1891年にはカンタータ「アンドロメダ」(Androméde)によってローマ賞コンクールの第2位を獲得。 ルクー当人は2位でも大いに落胆し、不満だったと伝えられていますが、 ブリュッセルでこの作品の一部(ソプラノ、弦楽四重奏、ピアノのための断篇)を聴いた大ヴァイオリニストのウジェーヌ・イザイ(Eugène Ysaÿe)は感銘を受け、 ヴァイオリン・ソナタの作曲をルクーに依頼します。完成されたヴァイオリン・ソナタはイザイによって初演、そしてイザイに献呈される事になります。 引き続いて、イザイが演奏することを念頭においてピアノ四重奏曲を作曲の途中、1894年1月21日、ルクーは24歳の若さで腸チフスのため亡くなり、 ピアノ四重奏曲は未完成のまま遺されることとなります。師ダンディの手により、第2楽章の最後の7小節半が加筆され、現在その版で演奏されています。




実演で聴いたルクーの曲

ヴァイオリン・ソナタ 1998年10月31日 神戸学院大学(ヴァイオリン:小林美恵 ピアノ:上田晴子)
ピアノ四重奏曲(第1楽章のみ) 2000年 3月31日 京都コンサートホール、4月3日 大阪・いずみホール
チェロ・ソナタ 2002年 7月26日 東京・紀尾井ホール
Meditation , Molto Adagio sempre cntante doloroso 2003年 4月27日 東京・音楽の友ホール
ヴァイオリン・ソナタ 2006年 6月11日 京都・青山音楽記念館(ヴァイオリン:土屋理香 ピアノ:大谷正和)
チェロ・ソナタ 2006年10月21日 神戸学院大学(チェロ:長谷川陽子 ピアノ:仲道祐子)
ヴァイオリン・ソナタ 2007年11月27日 東京文化会館小ホール
ヴァイオリン・ソナタ 2009年7月24日 京都府立府民ホール アルティ

ルクーのCD

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引用文献
[1]GUILLAUME LEKEU CORRESPONDANCE(Luc Verdebout,MARDAGA,1993)
[2]CÉSAR FRANCK AND HIS CIRCLE(Laurence Davies,Da Capo Press,1970)
[3]新編 音楽中辞典(音楽之友社 2002)
[4]新音楽辞典 人名(音楽之友社 1994)
[5]クラシック音楽作品名辞典 改訂版(三省堂 1998)
[6]その他多数のCDの解説書、演奏会パンフレットなど(和文、英文)


ピアノソナタ(1891)より第1楽章

ルクーの年譜

ルクーの作品一覧

Pelleasによる独断的ルクー作品入門

ルクー関連人物リスト

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