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5 April 2002
14 April 2002
2 May 2002
ルンデXコンサート〜第54回 バルトークから獲たもの Vol.4(名古屋 スタジオ・ルンデ)
曲目
| ブラームス | 弦楽四重奏曲第1番 |
| リエ・クヮルテット | 鈴木理恵(vn) 早川さくら(vn) 猿渡友美恵(va) 藤塚紗也香(vc) |
| ベートーヴェン | 弦楽四重奏曲第4番 |
| いっち弦楽四重奏団 | 市岡亮嗣(vn) 西願寺友里恵(vn) 高橋淳(va) 桜井香恵(vc) |
| * 休憩 * | |
| メンデルスゾーン | 弦楽四重奏曲第6番 |
| クヮルテット "WA" | 平光真彌(vn) 水越ゆかり(vn) 新谷歌(va) 徳本有美子(vc) |
| ショスタコーヴィチ | 弦楽四重奏曲第3番 |
| このえ弦楽四重奏団 | 上田浩之(vn) 大西秀朋(vn) 竹内賢司(va) 上野達弘(vc) |
今年初めて聴きに出かけたコンサートは名古屋での弦楽四重奏の演奏会。
会場のスタジオ・ルンデは、なんでも民間で初めて室内楽専用に作られたホールだそうで、
どうやら名古屋界隈の人の間では有名らしいです。
今回は4団体がそれぞれ1曲づつ、計4曲を演奏する、という非常に内容の濃い演奏会でした。
しかも今回出演の4団体とも、昨年5月にルンデに来演したバルトーク弦楽四重奏団の公開レッスンを受講したとの事。
1曲目のブラームスのときは、正直なところ、集中力が落ちていて、というか私自身エンジンがかかっていない状態で聴いたせいか、
ともかく、弾くことに必死、という印象を受けたこと以外はあまり印象に残っていません。
ブラームスを演奏したリエ・クヮルテットは愛知県立芸大の学生が2000年春に結成した、
まだ若い弦楽四重奏団、ということだそうで、もっとこれから研鑚を積んでほしい、と感じました。
2曲目のベートーヴェンを演奏したいっち弦楽四重奏団は、名古屋大の交響楽団の団員が中心になって1993年に結成されたアマチュアの四重奏団。
技術的にはちょっとはらはらするところもありましたが、下手をすると速いテンポで突っ走るように演奏されがちなこの四重奏曲を、
少しテンポ的には抑え気味で演奏していました。特に、第3楽章のメヌエット、最近だと平板な演奏をする団体も見受けられるなか、
ゆったりと、強-弱-弱のアクセントをしつこすぎず、しかしはっきりとした3拍子で演奏されていてとても心地よく感じられました。
また、10年近い時間をアマチュア四重奏団として演奏を続けてきた、ということからか、ある意味で楽しんで演奏されている、
という雰囲気も伝わってきてとてもよい印象を受けました。
休憩をはさんで3曲目のメンデルスゾーン。このメンデルスゾーンの最後の四重奏曲は、姉のファニーを亡くしたメンデルスゾーンの、
無念さ、やり場のない怒り、悲しみ、姉への追憶が織り込まれた曲で、
例えばヴァイオリン協奏曲や無言歌集からイメージされるメンデルスゾーン像とは随分違う雰囲気をもつ曲です。
この曲を演奏したクヮルテット "WA"は、1曲目のリエ・クヮルテットと同じく、愛知県立芸大生が2001年2月に結成した団体で、
本当にみんな若い!第1ヴァイオリンの男性が、ちょっと落ち着きのない雰囲気だったけど、いざ演奏してみるとこれが凄い。
4人が鬼気迫る雰囲気でこのメンデルスゾーンの曲の持つ只ならぬ激しい雰囲気をしっかりと再現していて、
4曲の中で最も惹き付けられる演奏だったように思います。
トリのショスタコーヴィチを演奏したこのえ弦楽四重奏団はその名から想像がつくとおり、京都の近衛通りから名前をもらった団体。
京都大学交響楽団のメンバーによって1992年春に結成。さすがに4曲目になると聴いている私に疲れが出てきたせいか、
ところどころ集中力が途切れた状態で聴いていたけれど、ショスタコーヴィチ独特の諧謔的雰囲気や悲壮感、
そういったものがとてもよく伝わってくる、知的であると同時に情熱的である、一見矛盾しているような表現かもしれないけれど、
そのようにしか私には表現の仕様のない演奏でした。
第2ヴァイオリンが昨年変わった以外は結成以来メンバーが替わっていない、との事で、やはり2曲目のいっち弦楽四重奏団同様、
息の合ったアンサンブルであり、演奏すること自体を楽しんでいる、ということも見受けられ、よい印象を受けました。
1曲目と3曲目を演奏した結成して間もない若い団体のひたむきさ、2曲目と4曲目を演奏した結成して10年近い年月を経た、 それぞれの仕事や生活を抱えつつ、それでも音楽が好きで活動を続けている30代のアマチュア演奏家の味わい、 そういった四者四様の異なる良さを一晩で味わえた、非常に濃密な時間であり、関西からわざわざこのために出向いて本当によかった、 そう思える演奏会でした。
「Opus 1」デビューリサイタル(大阪・いずみホール)
曲目
| ペンデレツキ | 弦楽三重奏曲 |
| ショスタコーヴィチ | ピアノ三重奏曲第2番 |
| ブラームス | ピアノ四重奏曲第1番 |
アンサンブル リーブス はっぱのこんさーと Vol3(大阪・イシハラホール)
曲目
| J.ハイドン(R.ホフシュテッター) | 弦楽四重奏曲 第17番 ヘ長調 作品3-5 「セレナード」 |
| ショーソン | 弦楽四重奏曲 ハ短調 作品35 |
| ベートーヴェン | 弦楽四重奏曲 第4番 ハ短調 作品18-4 |
「コンセルヴァトワールの巨匠たち」(大阪いずみホール)
曲目
| シューベルト | 弦楽四重奏曲第12番「四重奏断章」 |
| R.オレッグ(vn) 森悠子(vn) T.アダモプロス(va) Ph.ミュレール(vc) | |
| サン=サーンス | 見えない笛 |
| カプレ | おいで、見えない笛のため息が・・・ |
| 聴け、わが心 | |
| マルタン | 3つのクリスマスの歌 |
| A-M.ロッド(sop) Ph.ベルノルド(fl) D.メルレ(pf) | |
| 武満徹 | ヴォイス |
| Ph.ベルノルド(fl) | |
| ラヴェル | ラ・ヴァルス |
| H.セルメット(pf) G.ブリュデルマッシェール(pf) | |
| 休憩 | |
| ブリテン | 幻想曲 |
| J-L.カペツァリ(Hb) R.オレッグ(vn) T.アダモプロス(va) Ph.ミュレール(vc) | |
| フォーレ | ピアノ五重奏曲第2番 |
| D.メルレ(pf) G.プーレ(vn) 森悠子(vn) T.アダモプロス(va) Ph.ミュレール(vc) |
京都、大阪の春の、もはや恒例となった「コンセルヴァトワールの巨匠たち」。
曲目を見るとオーソドックスな作品あり、珍しい作品あり、とバラエティに富んだコンサートでした。
シューベルトの「四重奏断章」は、激しい感情を表に現すよりも、むしろやわらかく優しい表現をとっていたのが印象に残りました。
私自身の好みとしては激しい表現をとる演奏の方が好みではありますが、「こういう表現の仕方もあるのか」と新鮮な思いがしました。
続くサン=サーンス、カプレ、マルタンは、ピアノとフルートを伴奏とする歌曲。この歌曲の中で印象に残ったのは、
サン=サーンスの「見えない笛」と、カプレの1曲目「おいで、見えない笛のため息が・・・」の2曲。
この2曲は、ヴィクトル・ユゴーの同じ詩に曲をつけたもので、曲想の違いを比較して楽しむことが出来ました。
詩は4行の詩が3つ連なったもので、サン=サーンスの方は、4行の詩をソプラノが歌い、
詩と詩の間でフルートが旋律を奏で、3つ目の4行詩をソプラノが歌っているところでようやくソプラノ、フルート、ピアノのトリオが絡むというスタイルでした。
一方のカプレは、終始ソプラノとフルートが絡み合い、サン=サーンスの曲よりも、より室内楽的色彩の濃いものとなっています。
武満の「ヴォイス」は、1971年、オーレル・ニコレの委嘱によって作曲された作品。
プログラムの解説によると「倍音の干渉を利用した重音奏法や四分音奏法など特殊な奏法を多用する作品である。
しかも奏者は瀧口修造の詩を、フランス語、英語で発音することを要求される。」とのこと。実際に聴いてみて、重音や四分音は良く分かりませんでしたが、
フルートに息を吹き込むだけで楽音を出さない、とか、よく聞き取れない言葉を一声放つとか、何かをつぶやきながらフルートを吹くなど、
目新しい(おそらく、前衛の時代であれば、皆やっていたようなこと?)奏法のオンパレードで、面白い作品でした。
休憩をはさんでの2曲。当日は風邪を押して聴きに出かけたせいで集中力が途切れてしまっていたのですが、
フォーレのピアノ五重奏曲は、フォーレ独特の息の長い美しい旋律が耳に優しく感じられました。
14 April 2002
第2回 春の便り -アマチュアピアニストたちによるコンサート-(岐阜クララザール)
曲目
| モーツァルト | ピアノソナタ第12番 ヘ長調 K.332 | 長瀬 朋子 | |
| ベートーヴェン | ピアノソナタ第3番 ハ長調 Op.2-3 第一楽章 | 亀田 知里 | |
| ベートーヴェン | ピアノソナタ第26番 変ホ長調 Op.81a ”告別” | 田北 裕子 | |
| 〜 休憩 〜 | |||
| − 6人の演奏者による小品の演奏 − | |||
| 〜 休憩 〜 | |||
| シャブリエ | ブーレファンタスク | ||
| プーランク | 三つの小品 | 原 基久 | |
| ドビュッシー | 「ベルガマスク組曲」より”月の光” ”レントより遅く” 「映像」第一巻より”水の反映” | 井澤 克俊 | |
| スクリャービン | ピアノソナタ第2番 嬰ト短調 Op.19 「幻想ソナタ」 | 石原 由美子 |
この演奏会は、出演者の全員が本業−小児科医であったり新聞社勤務であったり、大学院生であったり−を抱えて多忙な中、
わずかな時間を惜しんで練習した成果を発表する場、として昨年3月に引き続いて開催されたものです。
演奏会から一週間近くたった今(4月20日)でも覚えている事しか書けないのですが・・・。
長瀬さんのモーツァルトは、特に第2楽章の夢を見るような雰囲気が、
亀田さんのベートーヴェン初期のソナタは、青年期のベートーヴェンの野心に溢れ、溌剌とした雰囲気が、
田北さんの「告別」では、第2楽章「不在」冒頭の数音ににじみ出る不安感と第3楽章「再会」での喜びに満ちた表情が印象的でした。
休憩をはさんで、今回の演奏者6名が1曲ないし2曲づつ小品を演奏する、というプログラムの配置は、意表をつく形でとても興味深い物でした。
前半で演奏した3人にとってはアンコール、後半で演奏する3人にとってはイントロダクション、というニュアンスがあったかな、と今振り返ってみるとそのように感じます。
再び休憩をはさんで、原さんのシャブリエとプーランク。シャブリエのブーレファンタスク、不思議な音色とリズムが印象に残りました。
リズムに関して言えば、後のメシアンにも通じる物があるかな、という気もします。今回の演奏の中ではもっとも興味深い曲でした。
井澤さんのドビュッシーは、「月の光」のひっそりした雰囲気が特に印象に残りました。
たしか昨年はリストやショパンの超絶的な曲を演奏されていて、昨年の選曲とは随分雰囲気が変わったのも印象に残った理由かも知れません。
最後は石原さんのスクリャービン。さすがに最後ともなると集中力が落ちてきたのですが、第1楽章の明るさの中にほの暗さが見え隠れするような曲想が特に印象に残っています。
演奏会終了後の打ち上げの席では、演奏者それぞれが、今回の演奏について、満足だったところであったり今後改善していきたいところであったりを、 思い思いに語っていました。来年、3回目の演奏会が開催されるならば、どのように変化されていくのかな、と楽しみになりました。
第8回大垣音楽祭「ダイナミック室内楽T」
曲目
| シュペルガー | コントラバス、フルート、ヴィオラ、チェロのための四重奏曲 ニ長調 |
| 西田 直文(cb) 白尾 彰(fl) 村上 淳一郎(va) 石川 祐治(vc) | |
| ブラームス | クラリネット五重奏曲 ロ短調 op115 |
| 山本 正治(cl) 加藤 知子(vn) 青木 調(vn) 服部 譲二(va) 上村 昇(vc) | |
| シューベルト | 五重奏曲「鱒」 イ長調 op.114 D.667 |
| 弘中 孝(pf) 服部 譲二(vn) 菅沼 準二(va) 毛利 伯郎(vc) 西田 直文(cb) |
毎年ゴールデンウィークの時期に岐阜県大垣市で、国内のトップアーチストを集めて開催される大垣音楽祭の有料コンサート第1夜です。
シュペルガー(1750-1812)は、手持ちの音楽辞典3冊には全く名前が載っていなかったのですが、その当時のドイツではコントラバス奏者として高名だったそうです。
自身がコントラバス奏者と言うこともあってか、コントラバスのパートが非常に技巧的に書かれた曲でした。
非常に細かい音の動きがあり、また最も高い音の弦のハイポジションを弾かせるのでチェロやヴィオラのパートよりも高い音を演奏することも多く、面白い曲ではありました。
ブラームスのクラリネット五重奏曲は、奏者の配置が独特でした。通常であれば左から順に第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、クラリネット、ヴィオラ、チェロ
(あるいはチェロ、ヴィオラ)という配置になるのでしょうが、今回は、左から順に第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、クラリネットという順で奏者を配置していました。
結果として、舞台上ではヴィオラが視覚的には目立つ形になりました。いつもであればヴァイオリンを演奏している服部さんがヴィオラを弾いている、というのも珍しい図ではありますが。
演奏は、とても安定した物でしたが、クラリネットの音色が前面に出ることがなかったのが少し物足りなかったのと、
加藤さんのヴァイオリンの音色が「輝くような」と形容したくなるような音色で(個人的には好きな音色なのですが)、
今回に関して言えば、このブラームスの暗い曲と加藤さんのヴァイオリンの音色がややミスマッチだったかな、という感もありました。
休憩をはさんで最後はシューベルトの「鱒」。テンポの基本設定が「何故こんなに?」というくらい速かった。
特に第4楽章の変奏曲は唯一持っているスメタナ四重奏団+ヨゼフ・ハーラ(p)と比べると別の曲かと思ってしまうくらい、テンポがあまりにも速く、驚いてしまいました。
第5楽章に至ってはAllegroというよりも、Prestoに近いくらいで、全員が突っ走り気味かな、という感もありました。