お気に入りのCD/DVD - 室内楽曲

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室内楽のCD/DVDが43件見つかりました。

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ラヴェル ピアノ三重奏曲、ヴァイオリンとチェロのためのソナタ etc
Jean-Jacques Kantorow(violon),Jacques Rouvier(piano),Philippe Muller(violocelle)
ラヴェル、というと「ボレロ」が有名ですが、室内楽の分野でも重要な作品を残しています。 ここで紹介するCDには、ラヴェルの、弦楽四重奏曲以外の主な室内楽作品が収められています。
ピアノ三重奏曲は、先に紹介したドビュッシーの3曲のソナタと同じく、第1次世界大戦の頃にかかれた作品。「軍隊に召集され、 戦場に送り込まれたら生きて還ってくる事はできないだろう」と覚悟を決めたラヴェルが、「5週間で5か月分の仕事をした」と友人に手紙を書いたという。 只ならぬ緊張感に満ちた曲で、私が知っているラヴェルの曲の中では一番好きな曲です。
ヴァイオリンとチェロのためのソナタは、響きの美しさとか、メロディのきれいさ、というのとは全く無縁。ざらついた音色、耳障りな音の響きを意図的に作り出していて、 かなり実験的性格が強い作品。以前、コンサートでこの曲を聴いたとき、曲が終わったのに、誰も「曲が終わった」とは思わず、10数秒の間誰も拍手しなかった、 という事からも分かるように、「クラシック音楽とはこういうもの」というある種の先入観を崩すような曲です。
ツィガーヌは、ヴァイオリンとピアノのための曲で、ジプシー音楽を取り入れた作品。素人の私が聴いても「いかにも弾きにくそうな曲」という印象を受けたのだけど、 今年(2000年)1月から習い始めた楽典の先生に、楽譜を見ながら解説していただいたけれど、やっぱり難しい。しかも、ヴァイオリンパートに倍音が多用されているなど、 CDで聴いているだけでは全く分からなかった。ちなみに「ツィガーヌ」とはハンガリー系ジプシーを指す言葉である(研究社「リーダーズ英和辞典」より)。

フォーレ ヴァイオリン・ソナタ第1番、第2番
Krysia Osostowicz(violon),Susan Tomes(piano)
フォーレの作品の中で私のいちばんのお気に入りはヴァイオリンソナタ。このCDは、室内楽を聴き始めた頃、ドビュッシーの3曲のソナタ、 ショーソンの「ピアノ、ヴァイオリン、弦楽四重奏のための協奏曲」と共に、よく聴きこんだ1枚です。 1番のソナタはフォーレが30代前半の頃の作品で、息の長いメロディをたっぷりと歌わせ、メロディそのものの動きもとても活き活きした、美しい作品。 このヴァイオリン・ソナタ1番と、前述のショーソンの「協奏曲」、そしてドビュッシーのソナタで、すっかりフランス近代の室内楽の メロディと響きの美しさの虜になり、そのまま室内楽好きになってしまった、といういわくつきの1曲です。
ヴァイオリン・ソナタ2番の方は、フォーレの晩年、70代後半の時期の作品。フォーレは晩年、耳を患い、高音域と低音域が聞き取りにくくなった、と伝えられています。 そのせいか、フォーレの晩年の作品は、中音域が多いように感じます。もっとも、フォーレの音楽をこよなく愛する友人によると、
「高音や低音はあるにはあるが、目立つように書かれてないので聞き取りにくく、楽譜をそのまま弾いても演奏効果が挙がらない」
のだとか。。。
それはともかく、ヴァイオリンソナタ2番は、1番から40年を経て書かれた作品で、しみじみとした哀しさが漂う作品です。最初の頃はなんだかよく分からないけど、 聴き込んでいくうちにだんだん好きになっていく、というタイプの音楽。

ブラームス クラリネット五重奏曲・クラリネット三重奏曲
Thea King(clarinet), Gabrieli String Quartet, Karina Georgian(cello), Clifford Benson(piano)
晩年になり創作力の衰えを感じていたブラームスは、大曲の作曲をやめ、仕事を整理して静かな余生を送ろうと考えていた。ところが、クラリネットの名手、 ミュールフェルトの演奏に接して再び創作への意欲を沸き立たせた。そうしてブラームスは、ここで紹介するクラリネット五重奏曲、クラリネット三重奏曲、 そして2曲のクラリネット・ソナタを作曲した。クラリネット・ソナタは、ブラームス自身による編曲でのヴィオラ・ソナタとしてもよく演奏されるようである。
クラリネット五重奏曲、クラリネット三重奏曲とも、晩年のブラームスが感じていたといわれる孤独と諦念が基本的なトーンとして響いてくる曲。 とはいえ、クラリネットの音色が明るいので、曲の雰囲気は重さを感じさせず、孤独と諦念が聴こえてくるものの、むしろ軽やかとさえ言える。

メシアン 世の終わりのための四重奏曲
Tashi
Peter Selkin(piano), Ida Kavafian(violin), Fred Sherry(cello), Richard Stoltzman(clarinet)
第2次世界大戦中、フランス兵の一員としてドイツとの戦争に従軍したメシアンは、ドイツ軍に捕虜として捕らえられ収容所に送り込まれる。 ドイツの収容所の中で作曲、初演されたのがこの曲。敬虔なカソリック教徒であったメシアンらしく、各楽章の副題に、「天使」や「イエス」などの 言葉が散りばめられている。また、鳥の声に終生関心を抱きつづけていたということもあって、クラリネットの奏する部分は鳥の鳴き声を思い起こさせる。

一昨年の秋の京都音楽祭で「世の終わりのための四重奏曲」を生で聴く機会があって、コンサートに出かけたのだけど、生で聴いてはじめて、この曲の独特な 色彩感覚、というか、音色の使い方を感じることが出来た。 CDで聴いているだけでは,クラリネットのソロは、単に「クラリネットの音がしているだけ」でしかないのだが、ホールで聴くと天上から鳥の鳴き声が 聞こえてくる、という感じに聴こえたことが印象深かった。そして、50分近い長さのこの曲を聴き終えたとき、深い充実感を感じたことを今でも覚えている。
ドイツの収容所に収監されていてさえ、人に充足感を与えうる音楽を生み出し得ること、そのことが、この曲の素晴らしさなのだろう、と思う。

ルクー ピアノ三重奏曲
Daniel Blumenthal(piano), Thanos Adamopoulos(violin), Gilbert Zanlonghi(cello)
ルクーは15歳のときに、自分の天職は作曲をする事だと気づき、ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲と、バッハの音楽に傾倒し、フランクに作曲を師事しました。 バイロイトへ出掛けて、「トリスタンとイゾルデ」の前奏曲を聴いたとき、感動と恍惚のあまり、失神して、外へ担ぎ出されたというエピソードが残っている事からも 分かるように、ゲルマン的なものに心惹かれる傾向があり、非常に感性の研ぎ澄まされた人だったようで、フランス系の作曲家には珍しく、寒色系の曲を書き残しています。
ルクーの室内楽曲については、別項で、ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ四重奏曲について触れています。ここでは、ピアノトリオを紹介します。
ルクーの室内楽作品に共通して言えるのだけれど、この作品も例にもれず、長大。なんと、演奏時間56分!しかも4楽章中、第1、第2、第4楽章が緩徐楽章なので、 全体的に、ゆったりとしている。
第1楽章と第2楽章は、夢見がちな、重々しく、悲劇的な雰囲気。第3楽章の熱に浮かされたような激しい曲調。第4楽章に至ってようやく、少し光が差し、明るくなる。かと思うと、 悲劇的な雰囲気で、消え入るように曲が終わります。

フランク ピアノ五重奏曲/ショーソン 弦楽四重奏曲
Gabriel Tacchino(piano), Quartuor Athenaeum-Enesco
フランクのピアノ五重奏曲は、初演でピアノを受け持ったのが、なんと、サン・サーンス!曲自体も、彼に献呈されています。 しかし、サン・サーンスの振る舞いは無礼極まりないもので、最後の和音が終わるや、ピアノのパート譜を置いたまま、そのまま ステージから出て行ったとか。
第1楽章は暗く激しい序奏で始まり、激しい主題と穏やかな主題とが交互に鳴り響きます。第2楽章は穏やかな、そして哀しげな雰囲気。 第3楽章は、第1楽章で現れた主題を様々に変化させ、最後は和音を2つ、力強く響かせて曲を終えます。

ショーソンは、1899年に不慮の自転車事故で亡くなる、まさにその日まで、弦楽四重奏曲の作曲を行っていました。数小節を残して ほとんど完成していた第3楽章を友人のダンディが完成させ、1900年には初演された、ということです。
「ピアノ、ヴァイオリン、弦楽四重奏のための協奏曲」で見せたような叙情的な雰囲気はやや影をひそめ、より緻密さを増しています。 とは言え、叙情的な、そして愁いを帯びたメロディがショーソンの最大の魅力である事には変わりなく、第1楽章、第2楽章は愁いを帯びた雰囲気。 第3楽章に至って、喜びに溢れた主題が登場し、様々に変化してゆくものの、第3楽章の最後のページを書いている途中で、ショーソンは不可解な 自転車事故で、突然この世を去り、残された楽譜をダンディが完成させます。

ショパン ピアノ三重奏曲、チェロ・ソナタ
Emanuel Ax(piano), Pamela Franck(violin), Yo-Yo Ma(cello)
ショパンといえばピアノ曲。ですが室内楽曲もわずかながら書いているのです。ショパンのピアノトリオを知ったのは、 数年前にテレビでスタートレック(The Next Generationのシリーズです。)を見ていて、宇宙船のクルーがトリオを 演奏しているシーンを見たのがきっかけ。 ピアノ曲をほとんど聴かないのでショパンに対しては全く無知な状態でテレビでトリオの第1楽章の冒頭を聞いた時、 「意外と激しい曲」と言う印象を思ったことを覚えています。

ピアノトリオは1828年から29年にかけて作曲された、というので20歳になる前の作品。そういうわけで、至る所に 若々しさ、みずみずしさを聴き取ることの出来る作品です。しかし、ピアノトリオとは言うものの、ピアノが大活躍して、 ヴァイオリンとチェロの陰が薄いように感じられ、ショパンは、本質的にピアニストだったんだなぁ、と、つくづく思います。
一方のチェロソナタは1845から46年の作品で、晩年の作品。第1楽章の哀しげなメロディーが印象的です。

ショスタコーヴィッチ 弦楽四重奏曲第15番
Borodin Quartet
ショスタコーヴィッチは生涯に15曲の弦楽四重奏曲を書いています。この曲はその中の最後の曲、1974年作曲で、亡くなる1年前の曲です。 切れ目なく6つの楽章が続けて演奏されるのですが、全ての楽章がアダージョで、変ホ短調という特異な構成です。 第1楽章から順に、「エレジー」、「セレナーデ」、「間奏曲」、「ノクターン」、「葬送行進曲」、「エピローグ」と名付けられています。
曲全体を通して、深い悲しみと絶望感に満ちている、そういう曲です。この曲の中で非常に特異なのは第2楽章の「セレナーデ」です。 4つの楽器がそれぞれ順に、最弱音から最強音へとクレッシェンドするのです。それも、何度も何度も執拗に。この部分は聴いていて背筋が寒くなります。 もう、救いようもない暗さです。ショスタコーヴィッチが好きだ、という友人が昔いましたが、彼ですら「弦楽四重奏は暗すぎて・・・。」と言っていたのを 思い出します。この曲を念頭においての発言だったのか?とも思います。

他の友人は「寝ながら聴いてたら金縛りにあった」と言いますし、私自身、家で聴いていると「お化けが出てきそうだからやめて」と家族から顰蹙を買うし、 数年前にこの曲を聴いているときに当時1歳の甥が部屋に入ってきて、怯えて泣き出した、ということもあったので、特に家族と同居されている方はこの曲を聴くときには 細心の注意を払うことをお勧めします。

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第13番
古典四重奏団
5曲あるベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲の中で、この13番はいささか特異な存在です。6楽章からなるこの曲を初演したとき、 第6楽章のフーガがあまりに長大で、聴衆からも演奏者からも評判があまりにも悪かったため、後に第6楽章を短いアレグロの楽章に 書き直し、オリジナルの第6楽章を「大フーガ」という、独立した作品としたのです。 そのため、13番の第6楽章にはアレグロ楽章を演奏するCDが多いのですが、このCDでは、オリジナルの大フーガを演奏しています。
上で、「5曲の弦楽四重奏」と書いたのですが、その5曲の中には「大フーガ」は数えていません。どの音楽評論家も、ベートーヴェンの 後期弦楽四重奏に触れるときは「5曲の弦楽四重奏と、もともと第13番op130の最終楽章として作曲され、後に独立した大フーガop133」などと 紹介するようです。
第5楽章の、とても美しく、悲しみに満ちた「カヴァティーナ」の後、アレグロの第6楽章が続くものと思っていて「大フーガ」を聴くと、最初は 辛いものがあるかもしれません。フルコースの料理を食べ、デザートの後にコーヒーが出るものと思っていたら最後に分厚いステーキが出てくるような 感覚。しかし、慣れてくると「やはりこちらのほうが良かったんじゃないかな」と思います。抒情的で悲しみに満ちた「カヴァティーナ」の後に、軽快な アレグロではなく、複雑で緻密で巨大な「大フーガ」が続く方が、悲しみを受け止めるべきものとしてはより相応しい、そんな気がするのです。

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第15番
古典四重奏団
ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲の中で、初めて聴いた曲がこの15番。京都のとある名曲喫茶に数年ぶりで訪れたとき、神秘的、 というか現実を超越したような、胸を打つ音楽が流れていて、それが第3楽章のリディア旋法によるアダージョ楽章だったのです。
第1楽章のアレグロ楽章の、重々しい序奏に続く主題の中に、孤独で、悲痛な感情を聴き取ることができ、晩年のベートーヴェンの感情を 追体験させる音楽です。
第3楽章は、病に臥せっていたベートーヴェンが一時的に体力を回復したときに、神に捧げる感謝の気持ちを音楽にしたもの、と 伝えられていて「病癒えた者の神に対する聖なる感謝の歌」と楽譜に書かれているそうです。その内省的で崇高な音楽は、ベートーヴェンの 後期弦楽四重奏曲の中でももっとも気高いものの一つ。
第5楽章は、歌うような序奏から情熱的な主題へ、そして軽やかで明るいコーダへと音楽が流れていきます。もともとはこの楽章を 第9交響曲の終楽章に使うつもりだったのを、有名な「合唱つき」に変更したため、弦楽四重奏へ転用したそうです。

古典四重奏団の演奏は、イタリア四重奏団のゆったりと旋律をうたわせる演奏とは対照的に、速めで、あまりテンポを揺らせない、 「今風」なスタイル。聞くところによると、このカルテット、どの曲も暗譜で演奏するそうです。 「最初は遊び半分の気持ちで暗譜で弾いてみたけれど、暗譜で弾いた方が集中力が増す事が分かったので、どの曲も暗譜で弾く事にした」、 と、雑誌のインタビューで応えていたのを読んだ事があります。

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