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フランク ピアノ五重奏曲/ショーソン 弦楽四重奏曲
Gabriel Tacchino(piano), Quartuor Athenaeum-Enesco
フランクのピアノ五重奏曲は、初演でピアノを受け持ったのが、なんと、サン・サーンス!曲自体も、彼に献呈されています。 しかし、サン・サーンスの振る舞いは無礼極まりないもので、最後の和音が終わるや、ピアノのパート譜を置いたまま、そのまま ステージから出て行ったとか。
第1楽章は暗く激しい序奏で始まり、激しい主題と穏やかな主題とが交互に鳴り響きます。第2楽章は穏やかな、そして哀しげな雰囲気。 第3楽章は、第1楽章で現れた主題を様々に変化させ、最後は和音を2つ、力強く響かせて曲を終えます。

ショーソンは、1899年に不慮の自転車事故で亡くなる、まさにその日まで、弦楽四重奏曲の作曲を行っていました。数小節を残して ほとんど完成していた第3楽章を友人のダンディが完成させ、1900年には初演された、ということです。
「ピアノ、ヴァイオリン、弦楽四重奏のための協奏曲」で見せたような叙情的な雰囲気はやや影をひそめ、より緻密さを増しています。 とは言え、叙情的な、そして愁いを帯びたメロディがショーソンの最大の魅力である事には変わりなく、第1楽章、第2楽章は愁いを帯びた雰囲気。 第3楽章に至って、喜びに溢れた主題が登場し、様々に変化してゆくものの、第3楽章の最後のページを書いている途中で、ショーソンは不可解な 自転車事故で、突然この世を去り、残された楽譜をダンディが完成させます。

マニャール/フランク ヴァイオリン・ソナタ
オーギュスタン・デュメイ(violin) ジャン=フィリップ・コラール(piano)
アルベリック・マニャールは、1865年に生まれ、1914年に亡くなったフランスの作曲家です。 マニャールは生没年から分かるようにドビュッシーの同時代人なのですが、彼はショーソン、ダンディ、ルクーらと同じくフランク派の一人で、 その作風は重厚な作品を残したフランク派の面々のなかにおいてもひときわ重厚で厳しいものです。それは、もしかすると彼の激しい気性によるものなのかもしれません。 第1次世界大戦が勃発し、作曲をしていたマニャールの住む北フランスの屋敷をドイツ軍が包囲した1914年9月3日、 マニャールは銃を手に抵抗したものの屋敷に火を放たれて焼死したというエピソードが、その気性の激しさの一端を現している、といえるかもしれません。
寡作だった彼は生涯にわずか20あまりの作品しか残していません。その中には4曲の交響曲、ここで紹介するヴァイオリン・ソナタ、 チェロ・ソナタ、ピアノ三重奏曲、ピアノと木管楽器のための五重奏曲などの室内楽曲、いくつかのピアノ小品などが含まれます。 そのいずれもが重厚でありつつも抒情的な作品で、近代フランス音楽のなかでも独特の位置にあると思います。
ここで紹介するヴァイオリン・ソナタは、マニャールの代表作と言っても良いくらいの作品で、 1901年の10月3日から12日までのわずか10日間で作曲されたそうです。 とは言え、4楽章からなるこの作品、第3楽章を除いて緩徐で長大な楽章。全曲の演奏時間が40分を超え、ヴァイオリン・ソナタとしてはかなり巨大なものです。 第1楽章序奏での瞑想的にヴァイオリン・ソロが、一転して情熱的な旋律に変わり、ピアノパートもヴァイオリンに合わせてシンフォニックに鳴り響きます。 第2楽章は一転して優しく穏やかな雰囲気。第3楽章スケルツォは、リズミカルで快活なものの、どこか不安げな雰囲気もにじんでいます。 第4楽章は哀愁を帯びた、これまた情熱的な音楽ですが、ひっそりとした感のあるコーダで全曲を閉じます。
フランクのソナタは、あまりにも有名ですが、フランクと同郷のベルギー出身の大ヴァイオリニスト、イザイの結婚祝いのために作曲された作品。 重厚な作品の多いフランクの作品のなかにあって、ほとんど唯一例外的に明るく軽やかな作品です。

話はそれますが、このイザイという人、自分自身でも無伴奏ヴァイオリンソナタを6曲書き残すなど作曲活動もしていたのですが、 ここで取り上げたフランクとマニャールのヴァイオリン・ソナタをはじめ、同じくフランク派の逸材、ルクーのヴァイオリン・ソナタや、 ショーソンの「ピアノ、ヴァイオリン、弦楽四重奏のための協奏曲」や「詩曲」など、フランク派の作曲家の作品を数多く依頼、初演し、献呈もされているのです。

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